プリンキピア続編>陽電子−中性子仮説(同重体理論)>第一章 新しい原子核理論−「陽電子−中性子仮説(同重体理論)」
第二の法則 元素の基本は原子番号ではなく,原子量である。
地球上では,まず,1-260前後の中性子の数の同重体グループに分類され、元素の基本となる。次に,それぞれの原子核が自分の大きさや立体構造によって吸着される陽電子の数が決まり,陽電荷数が確定される。物質の化学、物理性質が原子の電荷に関連するため、実際では同じ電荷の同位体の形で存在する。また、43-Tcと63-Pmの安定同位体が存在しない原因は、地球上のいずれの原子核の立体構造でも43あるいは63個の陽電子を吸着することにならないためである。
周期表を見ても分かるように,現代化学は原子番号により分類される元素を基本にして成り立っている。それは,元素の化学性質(原子と原子との結びつく性質)は原子番号,つまり,各元素核種の軌道電子の数に関係することによるものと思われる。これまで,地球上に約1300の核種が発見されたが,これらはそれぞれ,1〜110の元素の分類されでいる。よって,各原子番号の元素は複数の異なる原子量の同位体より構成されている。
原子番号によって分類する方法は,時代の背景に寄与される。元素の化学的,物理的性質の周期律は十九世紀半ばに発見し,周期表も十九世紀後半に完成された。一方,中性子はずっと後の1932年に発見され,同位素の説明に中性子が加えられるのもこの頃である。しかし,これはただ単にそれまでの理論を軌道修正し,正当化するだけであって,ゼロからの根本的な見直しなされていない。
原子番号によって分類する方法は,放射現象や同位体の存在,更には同位体の起源を説明できず,また,43-Tcと63-Pmがなぜ不安定なのかを説明できない。さらに,魔法の数などの導入によって,元素の性質について神秘化が深められ,非科学的な色彩に染められた。しかし,原子量の元で分類すれば,これまで元素に関する不可解な性質についても合理的な説明ができる。
当理論により,原子番号は原子が所有する陽電子の数である。その数は原子核の大きさ,つまり,核内中性子の数や,立体構造によって決められる。地球上では,まず,1-260前後の中性子の数によって,その原子核の構造が決まり,次に,それぞれの原子核が自分の大きさや立体構造によって,持つ陽電子の数が決まり,原子番号が決まることが示唆される。また,原子核構造には安定状態と準安定状態があり,それぞれ安定核種と放射性核種に相当する。さらに,準安定状態の核種が安定化することにより,立体構造が変化し,結合される陽電子の数を調節する。この過程はβ壊変である。β壊変により,核種が足りない陽電子を取り入れたり,あまった陽電子を放出したりする。
原子核を構成する中性子の固まりは多様の立体構造が持たれるため,多数の準安定構造と安定構造が存在する。これは同重体系列に多様の異性体の原因である。原子の準安定構造と準安定構造,あるいは準安定構造と安定構造間に,自発的,誘発的に構造変化が起きる。この過程は放射壊変である。放射壊変の結果,安定原子以外の核種(放射性核種)は最終的に同重体系列の安定構造核種(安定原子)になる。放射壊変の時におき,結合エネルギーを電磁波として放出(吸収)する。これはγ壊変である。放射壊変の時におき,原子核の総体積に変化があった場合に,それに対応する結合陽電子の数も変化されるため,陽電子を吸収(放出)される。これはβ壊変である。
下は当理論によりまとめた元素の同位体系列表である。
「元素の同重体系列表」目次 | ||
「元素の同重体系列表」の見方
下表に原子量が197の同重体系列のデータを示す。この同重体系列の安定核種は原子番号79のAu-197であるから,原子番号が79より小さい核種は「β(-)壊変」を起して,陽電子を核内にとり入れ,原子番号を増大させ,最終的にAu-197になる。一方,原子番号が79より大きい核種は「β(+)壊変」や「軌道電子捕獲」によって,結合する陽電子を放射して,原子番号を減らし,最終的にAu-197になる。つまり,原子量が197の核種は最終的にはAu-197に成ることが分かる。だから,現代錬金術として,核反応によって,原子量197を目指せば最終的にAu-197が得られるわけである。
表1 原子量A=197系列の壊変結果 | |||||||
原子量 | 原子番号 | 核種名 |
半減期 |
壊変方式 | 方向 | ||
197 | 78 | Pt-197 | 18.3 | h | β(-) | =原子番号が1増え,Au-197になる | |
197 | 79 | Au-197 | * | * | 安定核種 | Au-197 | |
197 | 80 | Hg-197 | 2.67 | d | 軌道電子捕獲 | =原子番号が1減少し,Au-197になる | |
197 | 81 | Tl-197 | 2.84 | h | β(+), 軌道電子捕獲 | =原子番号が1減少し,Hg-197になる | |
197 | 82 | Pb-197 | 8 | m | β(+), 軌道電子捕獲 | =原子番号が1減少し,Pb-197になる |
β(-)壊変 | 78-Pt-197 + (陽電子−陰電子) 結合電子対 | → | 79-Au-197 + 陰電子 |
軌道電子捕獲 | 80-Hg-197 + 軌道電子 | → | 79-Au-197 + (陽電子−陰電子) 結合電子対 |
軌道電子捕獲 β(+)壊変 |
81-Tl-197 + 軌道電子 81-Tl-197 |
→ → |
80-Hg-197 + (陽電子−陰電子) 結合電子対 80-Hg-197 + 陽電子 |
軌道電子捕獲 β(+)壊変 |
82-Pb-197 + 軌道電子 82-Pb-197 |
→ → |
81-Tl-197 + (陽電子−陰電子) 結合電子対 81-Tl-197 + 陽電子 |
同位体系列表を提出することは元来のメンデレーエフの周期表を否定するものではない。メンデレーエフの周期表は元素の物理的化学的性質を解明するのに欠かさないものというのはいうまでもなく、但し、核反応を解明するには当元素の同重体系列表ほかならなことは明らかである。両表の特徴を下記のように比較する。
メンデレーエフの周期表 | 元素の同重体系列表 | |
特徴 | 元素の持つ正電荷の数によって分類する方法である。 | 核種の原子量によって分類し、各核種の間の相互関係も表示する方法である。 |
表の特長 | 原子番号(陽電荷数)により分類し、元素の物理的、化学的性質を総合できる。 | 同位体は同じ原子量の同重体グループの中から吸着する陽電子の数の違いによって生じている。また、不安定な同位体が同グループの安定同位体を目指して、吸着された陽電子の数を調節する。核反応のメカニズムを総合できる。 |
元素の物理的、化学的性質 | 元素の物理的、化学的性質を元に分類され、各元素の物理的、化学的性質が一目瞭然である。 | 解明できない。 |
核種の核反応の特徴 | 解明できない。 | 核反応の方向および半減期が表示され、核反応の挙動は一目瞭然である。 |
元素の安定性 | 予測できない。 | 一目瞭然である。 |
天然の43-Tcと63-Pm | 空席のまま、あるいは、人工放射性核種で表示される。 | 核反応のメカニズムにより、安定な天然の43-Tcと63-Pm核種が存在し得ないと突き止めた。 |
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