潮汐の真のメカニズム > 第一章 日本沿海の潮汐変化と外的引力の変動との関連

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第一章 日本沿海の潮汐変化と外的引力の変動との関連
人々は「吸水説」に対してまったく疑うことなく受け入れる背景には、十分なデーターがなかったため、その真偽を検証できない原因がある。一方、近年において、各地の検潮所に詳細な潮汐データーが蓄積され、気象庁も過去の大量なデーターに基づき、毎年の日本各海域の潮汐情報を予測するデーター集「潮位表」などを編集して発行するようになっている。潮汐の変化も少しずつ把握され、これら潮汐データーを分析することにより、潮汐の真のメカニズムを理解することができる。当章から日本周辺海域の潮汐データーを分析しながら、その真のメカニズムを探る。
潮汐のメカニズムを解くカギは新月にある
周知のように,地球の公転軌道面(上図に示すように)と地球赤道面との角度が約23°である。そのため,一年間におき,太陽が地球座標の北緯23°と南緯23°との間に一回往来している。また,月の公転軌道と地球赤道との角度は約18°であるため,一ヶ月間におき,月が地球座標の北緯18°と南緯18°の間に一回往来している。例えば,太陽引力は夏至点付近に北回帰線地域の正中(正午)地域の真上にあり,最北となるが,冬至点には南回帰線地域の正中(正午)地域の真上にあり,最南となる。
図4 太陽引力及び月引力の年間変化
 
地球の潮汐に影響する主な外的引力は月引力と太陽引力だが、両引力が地球座標に対してそれぞれ独自の回転方式を持っている。更に地球自転が加えられるとその動きがより複雑となり、太陽、月及び地球の三者が同じ位置関係のパターンを繰り返すのに十九年の歳月を要している。

この両外的引力の方向的な変化は引力間に互いに干渉し合い、潮汐リズムに多様性をもたらしている。よって、外的引力の潮汐に与える影響を正確に捉えるには、両引力間の干渉を最小限に抑えなければならない。そして、このような条件に満たす日は毎月(太陰暦)に一日だけが存在し、それが新月である。

新月とは正確に言うと太陽子午面方向と月子午面方向が重合する(0°になる)ことをいう。新月におき、太陽引力と月引力が地球座標に対して、ほぼ同方向にあるため、両引力の相互間の影響が最小となり、地球に対しての外的引力の影響をほぼ一本化にすることができる。つまり、潮汐のメカニズムを解く鍵は新月にあると考えられる。

一年間におき、約十二、三回の月周期があり、新月の回数も同じく十二、三回ある。毎月にある新月時の地球と各外的引力の位置関係を図5に示す。
月と太陽で合成される総合外的引力が夏至点(六月二十三日)前後にある新月に、地球赤道の北方23°に移動し、そして、冬至点(十二月二十二日)前後にある新月に、地球赤道の南方23°に移動する。よって、一年にある各新月のデーターを抽出して総合すると、一本化した太陽と月の総合外的引力が地球の周りを一周の各方向を遍歴しながら、地球赤道の南方23°と北方23°の間に一往復の各方角も遍歴することがわかる。
図5 毎新月における太陽、地球、月の位置関係

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当論文は2000年11月15日付けで日本国文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号 第17591号の1 )
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