潮汐の真のメカニズム > 第一章 日本沿海の潮汐変化と外的引力の変動との関連

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「近力点」と「近力背後点」、「遠力点」と「遠力背後点」
潮汐のメカニズムの謎を解く重要なキーワードは「近力点」と「近力背後点」、「遠力点」と「遠力背後点」である。

周知のように、太陽引力や月引力などの外的引力は一年を通して、地球赤道面の北方と南方に往来している。図6に示したように、夏至点付近の新月に、総合外的引力の「近力点」は北半球の北緯23°の太陽正中(正午)地点だが、この時の「遠力点」は南半球の南緯23°の深夜地域にあたる。地球自転のため、「近力点」になった地点は十二時間を経過した後に同緯度にある「近力背後点」に到着するのだが、この点は「遠力点」ではないことがわかる。そのため、海域が「近力点」と「近力背後点」を経過するときに受ける外的引力の強きさが異なる。

同じ原理で、冬至点付近の新月では、「近力点」は南半球の南緯23°の太陽正中地点だが、「遠力点」は北半球の北緯23°の深夜地域である。同じように、北緯23°にある地点が「遠力点」になってから十二時間を経過した後に同緯度の南中地点の「遠力背後点」に到着するが、海域が「遠力点」と「遠力背後点」を経過するときに受ける外的引力の強きさが異なる。
図6a 夏至点付近の新月における太陽と月と地球との位置関係
図6b 夏至点付近の新月における太陽と月と地球との位置関係
以上を総じて、夏至点付近の新月においては、北緯23°付近の海域は昼間に受ける外的引力が最大となるが、深夜に最小となる。逆に、冬至点付近の新月においては、北緯23°付近の海域は昼間に受ける引力が最小となるが、深夜に最大となる。このような外的引力の変化は潮汐の年間変化にあらわれると予想できる。

当研究は一年間(1997年)中にある新月のみの潮汐データーを抽出して新月グループとし、その年間の潮汐変化を分析することによって、総合外的引力の影響を観察した。その結果を日本周辺海域の各新月の日の潮汐データにしめす。これらの結果から日本沿海の潮汐特徴が把握できただけでなく、潮汐を引き起こす真のメカニズムも分かるようになった。当章では例を分析しながら解釈する。

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当論文は2000年11月15日付けで日本国文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号 第17591号の1 )
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