プリンキピア続編陽電子−中性子仮説(同重体理論)>第一章 新しい原子核理論−「陽電子−中性子仮説(同重体理論)」

  

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第五の法則 原子の軌道電子の運動は原子核と結ぶ直線上での伸縮振動である

 原子の軌道電子の運動は原子核と結ぶ直線上での伸縮運動である。個々の電子の運動は核の周りで回転するのではなく,原子核との間に運動エネルギーと位置エネルギーの変換を繰り返して,平衡をたもっている。

原子の構造及び原子の軌道電子の運動模式図

 原子は原子核と軌道電子からなり,原子の軌道電子の運動はこれまで原子核を中心としての回転運動だと考えられてきた。教科書などで原子を描写する際に,小さくなった太陽系のような原子構造のイラストがよく目にする。これを「土星型原子模型」と言い,日本の科学者長岡半太郎がマクスウェルの「土星の輪の運動」に関する研究からヒントを得て,世界で先に提案した原子モデルである。

 十九世紀世紀の終りから二十世紀初頭との間に,科学者達の頭の中の原子構造に電子は存在しなかった。1897年、イギリスの物理学者トムソンが電子を発見することをきっかけに、原子構造に電子がはじめて登場した。トムソンはそれまで学問に対し多大な貢献をしたため,「ケルビン卿」という爵位をもらっている。トムソンは早速電子を含んだ原子構造を考案し,「ケルビン卿の原子模型」を提唱した。

 その説によれば,原子はプラスの電荷を持つ球とその中に封じ込められた電子とからなるという。原子の大きさは10-10Mであるため,今でもそれを直接に観測することが出来ない。だから,原子構造も頭の中でイメージするしか出来ない。トムソンは電子の発見者であり,当然「ケルビン卿の原子模型」を支持する学者は圧倒的多数であった。

 しかし,興奮の余暇に「ケルビン卿の原子模型」考え方の間違いに気付く人がいった。その人はトムソンの孫弟子にあたる長岡半太郎だった。長岡はいろいろ電子のスペクトルを分析し,1904年に英国の科学雑誌に「スペクトル線と放射能做を表示すべき原子内分子(電子)の運動」を発表した。この論文に,原子は正電荷の原子核と回りに回転する電子からなる「土星型原子模型」を提唱した。これも後ほどラザフォードやボーアの原子模型の原型である。

 1911年に,ラザフォードがα線回折実験により,「土星型原子模型」をさらに確定させた。ラザフォードが非常に薄い金属の薄膜に加速したα粒子を照射して,実験を繰り返した。α粒子の殆どは抵抗なく薄膜を通過した。ごく少数のα粒子が核に大きく弾き返されて,飛跡をを曲げて蛍光板の端っこに光らせた。この実験は原子の正電荷は原子の中央の狭い空間に集中することを証明した。

 土星の輪は,無数の固体粒子からなる。土星とこれらの粒子および粒子の間には万有引力が働き,土星の回りに回転する。長岡の原子模型では,プラスの電荷を持って球の回りを運動する電子が中心の球から受ける力はクーロンの法則に従った引力であるとしている。

 しかし、電子の回転運動に関するすべての理論は原子の放射現象と結び付くことができないのみならず、原子の化学性質を解明することもできない。さらに、いろいろな実験データと矛盾することが明らかである。

 土星の輪の固体粒子はゆっくり時間をかけて回転するに対して,軌道電子は30万キロ/秒の速度で高速飛行している。30万キロ/秒で飛行する電子は、直径10-10Mの原子範囲内で回転するなら,単純に計算すると,回転数は1秒間1016回となり,非常に高い遠心力を生ずることが予想される。これらの遠心運動は単に原子核とのクロレーンカで維持することはと考えられにくい。 

 また,原子の体積は元素によらずほぼ一定である。電子の多い原子では、狭い範囲内で回転運動をするときに一定の秩序がなければ、電子同士の衝突が避けられないし,お互いの影響も避けなれない。また,このような状態では,電子達が各殻量子的に配置することが考えられにくい。最近の原子核理論では,膨大の計算により,原子内の秩序を解明しようとしている。しかし,直径10-10Mの原子範囲内で,高速で運動する電子に,このような秩序を維持するすることが現実離れに思われる。

 そこで本稿は、「軌道電子の運動は原子核と結ぶ直線上での伸縮運動である」という仮説を提案したい。個々の電子の運動は核の周りで回転するのではなく,原子核との間に運動エネルギーと位置エネルギーの変換を繰り返して,平衡をたもっている。原子核と電子との間にクローンカが存在するなら、お互いに引き合うのが合理的な解釈だと考えられる。この理論によって,電子捕獲、β壊変、軌道電子の内部転換さらにトンネル効果,核磁気共鳴などの現象は、合理的な解釈が得られる。
原子の構造及び原子の軌道電子の運動模式図

  

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この論文は2001年9月14日付けで文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号は 第18418号の1)
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