プリンキピア続編陽電子−中性子仮説(同重体理論)> 第一章 新しい原子核理論−「陽電子−中性子仮説(同重体理論)」

  

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第四の法則 原子の放射現象は宇宙線を含む放射環境によるものである。

 地球上に核種が安定なのか不安定なのかは、核種におかれている放射線環境によって決められる。また、放射性核種の半減期も同じくその核種におかれている環境にあわせて変化する。地球上には絶えずに宇宙放射線が降り注いでくる。宇宙放射線にいろいろな成分が存在し、このような放射線環境は原子の不安定性や放射性をもたらす主な原因であり、放射性核種の半減期を決める要因である。

 元素にはいろいろな同位体が存在する。例えば,原子番号が同じ1である水素でも,軽水素(原子量が1である),重水素(原子量が2である),トリチウム(原子量が3である)の三つの同位体が存在する。同位体元素同士のことを「核種」と名づけて,区別している。例えばH-1核種,H-2核種・・・である。

 地球上には約110元素の1300核種が発見された。この中には81元素の268核種は「安定核種」であり、そのほかは全部「放射性核種」である。「放射性核種」をさらに「人工放射性核種」と「天然放射性核種」に分けられる。「天然放射性核種」は今なお存在する半減期の長いものとその放射性を持つ娘核種であり、「人工放射性核種」は人工により作り出され、自然にはほとんど絶滅している半減期の短い核種のことを指している。

 「放射性核種」の壊変形式にα壊変,β壊変、γ壊変と核分裂などがある。β壊変にはβ(+)壊変、β(-)壊変と軌道電子捕獲があり,これらの放射壊変では原子番号が変化するものの、原子量の変化がともなわない。また,α壊変では,原子量140以上の核種に起こることが知られている。α壊変により,原子からα粒子(ヘリウムの核)が放射され,原子量が4つ減り,原子番号が2つ減少する。一方,核分裂反応により,原子核が分裂して,原子量の小さい娘核種原子になる。核分裂では原子番号90以上,原子量が230以上の核種のが起こりやすい。これまで,核分裂反応は中性子の関与によって起きることが知られている。

 放射能について1989年に,キュリー夫妻によって次のようにまとめた。
 ある物質から放射線が放射される現象は
 1. ウラニウム等の原子に固有の現象であり,
 2. その原子の化学的・物理的状態に依存せずに起きる現象である。

 しかし,後に,この放射能の基本原理と相反する原子の放射現象が次々と発見されるようになった。例えば、地面では安定核種であるN-14がは大気の上空において、宇宙線と核反応を起こしで放射性核種であるC-14になることが知られている。雨により地面に運ばれた放射性核種C-14がβ壊変を起こし、再び安定なN-14に変わる。この変化は生物の進化を引き起こす要因だと思われ、この原理も考古学の年代分析に応用されている。

 周知のように,地球の外側に厚い大気層を覆われ,宇宙線の大部分を遮断している。言いかえれば,もし大気がなくなって,地球が宇宙線に直接に晒されるなら,地球上ではN-14核種を始めとする多くの安定核種も不安定になることが予想される。また、安定核種を原子炉にいれて,中性子線に照射されたり、加速器によって加速されたり、更には強い放射線や加速された電子、陽子、α粒子、重粒子などによって照射されたりすると崩壊することも知られている。

 つまり、核種が安定なのか不安定なのかは、核種におかれている放射線環境によって決められる可能性が大きい。地球上には絶えずに宇宙放射線が降り注いでくる。宇宙放射線にいろいろな成分が存在し、特に、中性子が抵抗されずに原子核を攻撃することができる。このような放射線環境は原子の不安定性や放射性をもたらす主な原因だと推測できる。また,もし地上に降り注ぐ宇宙放射線の線量が今より増えたり、減ったり,あるいはなくなったりすれば,今では「放射性核種」に分類される核種が「安定核種」に変わったり,今では「安定核種」に分類される核種が「放射性核種」に変わったり,或いは放射性核種の放射壊変半減期が長くなったり、短くなったりすることも考えられる。

  

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この論文は2001年9月14日付けで文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号は 第18418号の1)
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