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図11に示すように、夏至点前後の新月におき、外的引力が赤道より北方23°にあり、「近力点」(a')は北半球にあるが、「遠力点」は南半球にある。地球は引力方向に向けて延径されるため、(a'), (c')地点に到着すると干潮が起き、(b'), (d')地点に到着すると満潮が起きることになる。地球は赤道と垂直する地軸を中心として自転するため、「近力点」(a')にあった地点が十二時間後になると、同緯度の「遠力背後点」である(c')地点に到着する。しかし、(c')地点は地面上昇区域ではないため、地殻のひずみ具合が異なり、干潮水位に差が生じる。具体的に、正午干潮の水位が午夜干潮の水位より低いと推測できる。一方、b', d'では外的引力とほぼ垂直するため、外的引力による影響が少なく、満潮の水位の変化が少ない。
また、冬至点前後新月におき、外的引力が赤道より南方23°にあり、「近力点」(a)は南半球にあり、「遠力点」(c)は北半球にある。地球は引力方向に向けて延径するため、(a), (c)地点に到着すると干潮が起き、(b), (d)地点に到着すると満潮が起きる。同じく、地球自転のため、「遠力点」になった海域が十二時間後に同緯度の「遠力背後点」地点に到着する。よって、午夜干潮の水位が正午干潮の水位より低いと推測できる。そして、(b),(d)では同じく外的引力による影響が少ないため、満潮水位の変化は少ない。 |