潮汐の真のメカニズム > 第四章 「延径効果理論」の検証および応用

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八丈島の新月、満月、上弦、下弦の潮汐研究

概要

 太陽引力や月引力など外的引力が地球に延径効果をもたらし,その結果,地球の近力点遠力点の地面が上昇し,干潮現象が起きる。また、外的引力が地球赤道面の南北に移動するため、外的引力が地球赤道面の北或いは南に移動されたときに,地球の延径方向が赤道面と角度を持つようになり,地殻変化は複雑となる。具体的に,図401に示すように、地面上昇地点と,この地点が12時間経過後に到着した同緯度の反対方向の地点の地面の上昇率が異なるため,両地点の干潮水位が異なり,これを邱潮と言う。

図401 太陽邱潮説明図

 この節は外的引力と邱潮現象の関連を検証するため、八丈島検潮所(北緯33°06, 東経139°46)の新月、満月、上弦、下弦各グループの潮汐について研究した。また、以下の結果は太平洋側のすべての検潮所に共通する。

 新月と満月では、太陽と月の引力が加算される。よって、その合算した引力で引き起こす邱潮はそれぞれ新月グループと満月グループの古典潮干潮系列から算出される。一方、上弦と下弦では、太陽引力と月引力が垂直の位置にある。よって、太陽邱潮はそれぞれ上弦グループと下弦グループの古典潮満潮系列から算出でき、月邱潮はそれぞれ上弦グループと下弦グループの古典潮干潮系列から算出されることが予想される。

 その結果、上弦グループと下弦グループから求めた太陽邱潮の年間最大干満差がそれぞれ±27cm と ±26cmであり、月邱潮の年間最大干満差が,それぞれ±59cm と ±63cm であり、そして、新月グループと満月グループから求められた太陽と月両引力の総合邱潮の年間最大干満差がそれぞれ±88cm と ±90cm であることがわかった。

 つまり、上弦グループと下弦グループから単独で求められた太陽邱潮干満差と月邱潮の年間最大干満差の値を合わすと、新月グループと満月グルプで求められた両引力の総合効果で引き起こす邱潮の干満差の値と一致することが明らかとなり、当延径効果理論の正確性が検証された。

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当論文は2000年11月15日付けで日本国文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号 第17591号の1 )
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