プリンキピア続編 > 月面クレーター形成の真のメカニズム > 第二章 月クレーター形成の真のメカニズム

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半固体状態という粘土
アポロ17号着地付近の巨大な岩
NASA提供
マグマオーシャン状態の月面において、大気に浮かれている気化物質の結晶、乱石、火山灰、マグマ噴出物こそは月にあるあの大量のクレーターを発生させる真の原因であると考えられる。

しかし、マグマオーシャン状態の月面においては、これだけではクレーターが作れない。なぜなら、マグマオーシャンは液体のであり、完全に可変であるため、水に石を投げたと同じように、たとえどんなに強い衝撃があったとしても、その流動性により、やがては元通りに回復して痕跡が残らない結果となる。

一方,完全に固形化した地面では,可変性がないため大きな衝撃があっても、跡が殆ど残らない。例えば,アポロ17号着地付近の巨大な岩が印象的だが,その不自然さから推測すると、最初からそこにあった物とは思えなく、どこから飛んできたものだと思われるが,月面が固かったため,衝突の跡はなかった。

グローブ・ギルバートの実験は我々に問題解決のヒントを教えてくれた。彼は粘土にものを投げてクレーターと似た形状の窪を作ったが、そのキーポイントは粘土という半固体の状態であった。つまり粘土という半固体状態では可塑性を持ちながら流動性がないため、衝撃があった場合に跡が残され、そして変形しにくいためそのまま残すことができる。

マグマが固形化する過程には粘度が高まり、表面張力が低くなるという半固体状の段階がある。この段階において,下から気泡が上がってきたり,或いは,衝突物が上から落ちたりすると,跡が形成されやすく,しかも,この跡はマグマが完全に固形化するまでの間に大きな変形が起きずに,記録として残された。

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当論文は2000年11月15日付けで日本国文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号 第17591号の1 )
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