プリンキピア続編 > 月面クレーター形成の真のメカニズム > 第二章 月クレーター形成の真のメカニズム

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月の形成段階において外的引力の影響
実験で再現したクレーター
月の表面を構成する玄武岩、斜長岩、角礫岩などの岩は熱が加えられることによってできたものである。つまり、月の形成初期或いは形成段階において、月全体が熔岩のみの星という状態にあるか、少なくでも月の表面全体が溶岩に覆われていたことが示された。この状態をマグマオーシャンと言われる。ここまでは、現在の人々が一致した見解であり、改めてここで強調する必要もない。

しかし、ここからは著者の新しい知見によるものである。つまり、マグマオーシャンである月が徐々に冷却していくと、どのような現象が現れるのかということである。例えば、融点が0℃の水と融点が30℃のラードを溶かした状態で混ぜ合わせて、冷凍庫に入れて冷却するとどうなるのか。

温度が下がるに連れて、融点の高いラードは先に固形化して、水の表面に薄く張りつけ、次に融点の低い水が固形化することが分かる。この例と同じ原理で、月は冷え込むに連れて、先に融点の高い玄武岩、次に融点の低い斜長岩が順次に固形化していくことが理解できる。

前にも詳細に述べたように物体は安定感を維持するため重心を引力によせる習性がある。月の重心が偏っていると言うことは、月形成の溶岩状態から完全に固形化までの段階において、外的引力の影響が働き続けた可能性が極めて高いことが伺わせている。

この外的引力の影響により、マグマオーシャンという溶融状態である月が構成成分に偏った分布となり、比重の高いものは月の引力側に寄せ集め、比重の低い組成は引力の反対側に取り残されたことになり、最終的に月の重心が引力方向へ偏ったままで固形化することになった。

また、この外的引力の影響で、先に固形化した比重の高い玄武岩は引力方向に寄せ集め、海に浮かぶ原油のようにマグマオーシャンの上に薄く広がって固め、月面上に「海」を形成した。そして、融点の低い溶融状の斜長岩は引力の少ない月の裏面寄せられた。

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当論文は2000年11月15日付けで日本国文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号 第17591号の1 )
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