プリンキピア続編 > 月面クレーター形成の真のメカニズム > 第一章 クレーターは隕石によって作られたものではない

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スイングバイ
遠いところからはともかくして、地球上においても今の段階の人類の意地をかけて、人類の知恵を全て絞り出し、最先端の技術を駆使して、制御装置やエンジンなどを搭載することによって軌道修正など行わずに、極意的に月面に物体を発射して、直接に月面に落下させることも至難のわざである。

そして、たとえいろいろな方向から同時に一億個の隕石が月に襲来したとしても、月面に落下できるのがわずか数個に過ぎない計算となる。
火星探査衛星「のぞみ」のミッション・シーケンス略図(宇宙研より)
宇宙開発のおかげで、人類はスイングバイ航法という新しいテックニックを手に入れた。スイングバイとは、天体の引力を用いて宇宙船や探査機の速度や軌道などを変える航法の事である。

つまり、探査機がスイングバイを行う天体の引力圏に入ると、その惑星の引力によって、その探査機の軌道、飛行方向が修正されたり、加速或いは減速など速度が修正されたりすることになる。

たとえば、 探査機ガリレオは、木星に到着させるために金星スイングバイを1回と地球スイングバイを2回行った。

また、探査機「ボイジャー2号」では、木星を探査した後に、木星スイングバイを利用して軌道を変更を行い、次の土星へ向かう軌道に修正した。土星に近づくと、今度は土星スイングバイで再び軌道を変更し、天王星へと向かう。

これら一連の軌道修正は地上での綿密な計算のほか、周到な制御システムを通して、探査機に搭載している遠隔装置やエンジンによって実現できたのであり、単なる偶然とか、打ちっぱらしでは当然できない。

従って、隕石が月へ向かうときに月引力及び地球の引力によって軌道が修正させられて、月の近辺からすり違って通り過ぎていくか、地球や月の引力に捕まえられて月、或いは地球の衛星になる確率の方がむしろて高く、また、地球の引力が月の引力より遙かに大きため、隕石がむしろ地球に落下する確率の方が大きい。

更に、月は公転している地球の周りに回るため、月の太陽系上の軌道は地球の内側と外側での蛇行型で移動するかたちをしているため、いくら宇宙の歴史が長いとは言え、単なる偶然のきっかけで月にあれだけ数のクレーターを作るための隕石が落下したと言う考えはナンセンスであると思われる。

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当論文は2000年11月15日付けで日本国文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号 第17591号の1 )
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