潮汐の真のメカニズム > 第四章 「延径効果理論」の検証および応用

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八丈島の新月、満月、上弦、下弦の潮汐研究

討論

 図413に春分点前後の月引力方向と月邱潮の特徴を示す。春分点前後においては,太陽引力が地球赤道の南方から北方へ移動する過程で地球の赤道と平行する方位に到着する。よって,この時の太陽引力による延径効果が赤道面と平行し,太陽邱潮の昼夜水位変化が殆どない。
 一方,上弦や下弦に到着する日の月引力と地球赤道面との角度が最も大きくなり,朝夕の水位の変化が最大値に達する原因である。
 また,上弦におき,月引力の方向は地球の(b)位置の北方18°にあり,延径効果による地殻の上昇区域は北半球の夕方ゾーンと南半球の朝方ゾーンであることが予測される。
 一方,下弦におき,月引力の方向は地球の(d)位置の南方18°にあり,延径効果による地殻の上昇区域も同じく北半球の夕方ゾーンと南半球の朝方ゾーンであることがわかる。

図413 月邱潮の説明図−春分点

 図414に秋分点前後の月引力方向と月邱潮の特徴を示す。秋分点前後においては,太陽引力が地球赤道の北方から南方へ移動する過程で地球の赤道と平行する方位に到着する。よって,この時の太陽引力による延径効果も赤道面と平行し,太陽邱潮の昼夜の水位変化が殆どない。
 一方,上弦や下弦に到着する日の月引力と地球赤道面との角度が最も大きくなり,朝夕の水位の変化が最大値に達する原因である。
 また,上弦の日において,月引力の方向は地球の(b)位置の南方18°にあり,延径効果による地殻の上昇区域は北半球の朝方ゾーンと南半球の夕方ゾーンであることが予測される。
 一方,下弦の日において,月引力の方向は地球の(d)位置の北方18°にあり,延径効果による地殻の上昇区域も同じく北半球の朝方ゾーンと南半球の夕方ゾーンであることがわかる。
 よって,年間を通して,上弦の日と下弦の日の朝夕の両干潮の水位変化パターンが殆ど類似することは月邱潮の存在及び月引力の延径効果が実在することを強く示唆する重要な証拠となる。

図414 月邱潮の説明図−秋分点

 また,データの信頼性及び再現性について考察した結果も本外的引力による地球の延径効果および邱潮現象の正確性を支持した。

表405 太陽,月引力の総合的影響
新月グループ 満月グループ
最小 最大 平均 最小 最大 平均
八丈島における
古典潮干潮の
昼夜水位差
-84cm 93cm ±88cm -90cm 90cm ±90cm

 表405に新月グループと満月グループにおける八丈島の古典潮干潮の昼夜の最大水位差を示す。両グループにおける「古典潮」干潮の水位変化は太陽延径効果および月延径効果を総合したものと思われ,それぞれ±88cm と ±90cm であることが明らかとなった。

表406 太陽引力のみの影響
上弦グループ 下弦グループ
最小 最大 平均 最小 最大 平均
八丈島における
古典潮干潮の
昼夜水位差
-26cm 28cm ±27cm -25cm 27cm ±26cm

 また,表406に上弦グループと下弦グループにおける八丈島の古典潮満潮の昼夜の最大水位差を示す。両グループにおける「古典潮」満潮の昼夜水位変化は太陽延径効果のみを反映するものと前にも説明したが,それぞれ±27cm と ±26cm であることが明らかとなった。

表407 月引力のみの影響
上弦グループ 下弦グループ
最小 最大 平均 最小 最大 平均
八丈島における
古典潮干潮の
昼夜水位差
-66cm 51cm ±59cm -66cm 59cm ±63cm
一方、表407に上弦グループと下弦グループにおける八丈島の古典潮干潮の朝夕の最大水位差を示す。両グループにおける古典潮干潮の朝夕水位変化は月延径効果のみを反映するものと前にも説明したが,それぞれ±59cm と ±63cm であることが明らかとなった。
 その結果、太陽引力を反映する上弦、下弦グループの古典潮干潮朝夕最大水位差(±27cmと±26cm)と月引力を反映する上弦と下弦グループの古典潮満潮大水位差(±59cmと±63cm)を合わすと、太陽、月両引力を反映する新月と満月グループの古典潮干潮大水位昼夜差(±88cmと±90cm)とほぼ等しいことから、本「延径効果」仮説の正確性が更に確かめられた。

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当論文は2000年11月15日付けで日本国文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号 第17591号の1 )
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