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著者のご挨拶
当ホームページへご訪問頂き、誠にありがとうございました。当サイトは科学発展の歴史を回顧しながら、科学の近未来像を探っていくものでありますので、どうぞ最後まで、おつき合いくださるようお願い申し上げます。

二十世紀には科学が著しく進歩して参りました。電気の実用化,航空宇宙技術の発展,コンピューターの出現など各分野において平行的に発展し、また,教育と研究の分野でも今までにない猛スピードで普及しました。そのため,知識人が輩出し,諸子百家が争鳴する局面になっております。科学技術や応用技術も日進月歩で発展し、研究者達に更に翼を与え,世の中にあるすべての物事のあらゆる現象が研究対象とされるようになりました。知識が専門化,極端化とされつつあり,学問の分野においても細分化され,群雄割拠という現象を生じております。研究は底のない狭い一本道のトンネルへより深く,より細く,より細かく解明する形となります。よって,科学が益々専門家組と素人組の両極端化へと発展する形となっております。しかも、専門家と言ってもある分野特定の専門家であり、当然ながら、この分野からちょっとでも外れると、もはや素人だと言った具合です。

大学時代に原子物理学や原子核物理学を勉強したことがあります。しかし、当時はただふれただけで、深く考えたことも、研究したこともありませんでした。それから15年後に仕事の関係で放射線取り扱い主任者試験を受けるため、原子核物理学と再び出会いました。今度は必死になって理解しようとしましたが、どうしても理解できないことに疑問を持ち始めました。おそらく、現在の原子核理論に携わる人なら多かれ少なかれ不思議と思ったことがあると思います。原子核を構成する微粒子や素粒子などはコンピューターのICチップと同じく賢く、外界と頻繁にやりとりしながら大量の情報を処理している仕組みとなっているようなことを想像させます。その複雑さは驚くほどの数の計算式を登載する数百ページに及ぶ専門書で右往左往しておられ、やがては今の最先端のコンピューター技術を応用してもそんなに簡単には計算できない始末です。しかしながら、皮肉にも、これら微粒子や素粒子から構成されて原子核や物質がきわめて簡単で、単純すぎるほどなものばかりです。

子供のときに、「王様の新装」と言う童話を聞いたことがあります。「王様の新装」に,王様や周囲の人をあまりにも露骨的に馬鹿にしているから,笑い話だけだと思いました。しかし、「現代科学」に携わってから、「現代科学」こそが「裸の王様」であることが気付き始めました。

「現代科学」、それは最高の権威の象徴であり、「王様」の意味に非常に近い。しかし、現在にある「現代科学」理論の大半はわれわれにはなじみのないものばかりです。「相対性理論」,「量子論」,「ブラックホール」,「素粒子理論」,「ビックバン理論」などなど,賛否両論で疑問点がたくさん持っている理論が科学と名乗りながら、科学的でないものが山ほどあります。これらの理論の正確性が確認されないまま,堂々と人類の知識として,新一代の科学入門者に伝授しております。教える方もチンプンカンプンで,教えられた内容は空想なのか、現実なのかわからない,勉強すればするほどますます分からなくなることがよくあります。いや、分からないというよりも、矛盾だらけで、わけがわからないと言った方が正しいです。かつて、コペルニクスの話を引用すると「手足をとって見ればみな完璧な部品に見られるが、これらの部品は決して同じの体には存在しえない」。科学戦国時代のいまの「科学」はまさにこのように怪獣化されており,ただ単に自分が馬鹿だから、あるいは勉強不足で分からないものではありません。

知識は「先入観」によって誤解を生ずるものがたくさんあります。「天動説」が「地動説」への意識変換は人々が「先入観」との戦いだと言っても過言ではありません。また,「偉い科学者がそう言ったから,教科書にそう書いてあるから、間違いがないはずだ」とかの考えも,科学の発展を著しく阻害しています。さらに,「裸の王様」が実は賢い人しか見えない服を着ているんだと言われたから,見えなくても、ひんしゅくを買いたがらないがために,「王様の服はすばらしい」と同調する「偉い科学者」が実はたくさんおられます。それは今の現状ではないでしょうか。

ニュートンによって完成された「プリンキピア(Philosophi Naturalis Principia Mathematica)」はそれまで乱された科学の領域を整理し、正しい軌道にとり戻し、科学にとっては革命的存在であることが言うまでもありません。これに因んで「プリンキピア続編」を執筆することを決意します。ここで皆様とともに、「現代科学」に明らかに間違っている部分を徹底的に検証し、その神秘的仮面或いは非科学的成分をとりはずし、「王様」の本来の姿にとり戻したいと存じております。しかし、一方では、かつて、「天動説」から「地動説」への意識変換には十数世紀の時間がかかっていました。つまり、正確に自然現象を理解するには先入観や固定観念の堅い扉が我々の想像を遙かに超えるほど、開きにくいものであることがわかります。この経験と教訓を参考にして、「二十四世紀の科学」と題します。それは人類が意識転換に要する時間であり、決して難しい理論ではありません。意識転換さえすれば、中学校レベルの教育を受けた誰でも簡単に理解できると思います。
科学ジャーナリスト
邱 国寧 博士 Guoning Qiu, Ph.D
e-mail: guoningqiu@aol.com
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この論文は2001年9月14日付けで文化庁にて第一公開年月日の登録を行いました。(登録番号は 第18418号の1)
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