2009年05月23日 針ノ木大雪渓 針ノ木小屋(A mountain hut of HARINOKI. About 2680m) 


行動記録(山スキー)

登山コース
7:00 立山黒部アルペンルート 扇沢駅駐車場着 -> 7:10 同駅駐車場発(針の木自然歩道経由)
8:00 大沢小屋付近 -> 8:10 針ノ木大雪渓 -> 10:00 針ノ木小屋着

下山コース
10:20 針ノ木小屋よりスキー滑走 -> 10:40 大沢小屋付近にて、登山道で徒歩下山開始
11:30 立山黒部アルペンルート扇沢駅駐車場着

行動時間(休憩を含む)
4時間30分

山スキー装備
ZEROPOINT スキーザック(青色30L)
SALOMON DEMO XR('07-08)
HEADゲレ用アルペンブーツ

日帰温泉
大町温泉郷 「薬師の湯」(大人1名 600円)

マップトレース
長野県山岳ガイドより こちらを参照して下さい。
(関西電力の作業路を登ります。黄色の点線で示されています)

コメント
早朝4時30分自宅を出発し、6時40分、立山黒部アルペンルート玄関口 扇沢駅に到着する。

針ノ木大雪渓、もっと早く来るべきだったのかもしれないが、如何せん乗鞍にはまっていた。
社会人やっている以上、休日は限られているし、天候次第では諦める事も必要。
当たり前と言われればそれまでだけど・・・残念な気持ちになるのは誰もが同じだと思う。

初めての針ノ木大雪渓。緊張する。
朝食と準備を済ませ、ゲート脇針の木岳登山口に向い、入山届けをポストイン。本日の目的地である針ノ木小屋を目指す。
登山道と林道を抜け、やがて近道の左手に見える作業道路に入る。
この後、作業道路に沿って進むが、篭川を左岸に渡ったところで土砂崩れで作業道路が分断されていた。
ものすごい不安になる。(T-T)
よく周りを見ると土砂崩れを避ける形で先にある作業路に向って直登した跡がある。藪漕ぎになるが他に道が無いので登る・・・。
その頃から沢上流から霧が舞い降りてくる。幻想的な光景に驚くが同時に視界を奪われる。
残雪に残された足跡と頼りに上り詰めること20分。大雪渓末端部に到着する。そして右岸上部に霧の合間から大沢小屋が見えた。
やがて霧が晴れると大雪渓全体が見えてくる。すると50mほど前に山スキーヤー1名を発見。

嬉しかった。(T-T)

「山思えば人恋し。人思えば山恋し」の意味が当てはまるかどうか分からないけど、脳裏を横切った^^;
その方を追いかける形でツボ足登山を続行。
さらに視界が晴れると、その先の急斜面にもう1名が登っている。
多いか少ないかはさておき、やはり人気の雪渓だなと思った。

マヤクボ沢と針ノ木峠の出会い口で先行していた山スキーヤーさんと言葉を交わす。
こちらの山スキーヤーさんはシール登行でひたすら登っていた。
自分はゲレンデ装備・・・ と言うよりまだ装備品についてはまだまだ検討している段階だった。
もっともゲレンデ装備品と言っても捨てても良いようなボロボロ品なので気にせずバンバン使い捲くっている。
山スキーヤーさんに聞かれる。

「山岳会の方ですか?」

シール登行はツボ足に比べたら変に沈み込みが無い為、楽に登れるらしい。
そのため、自分が幾ら前に進んでも直ぐ後ろに付いて来たツボ足の私と距離が殆ど変わらないのを不思議がっていた様だ。
(すいません。馬並みな人間で・・・)
先週までほぼ2日置きに乗鞍岳で山スキーやって遊び捲くっていた事を伝えた所、「あー。だからか〜(^^)」と納得して頂けた。
こちらの山スキーヤーさん。私の地元上田市の隣にある佐久市在住の方でした。
意外とご近所の方だったので話が弾む^^
「来週は白馬大雪渓に行く予定です。」と伝えた所、
「あそこは小雪渓の所までは面白いけど葱平(ねぶかっぴら)より下はなだらかで、白馬尻のあたりから立て溝が出てくるからあんまり面白くないと思うよ。どちらかと言えば針ノ木の方が面白いよ。」
と言われてしまう^^;
行ったこともないのでイメージがあまり出来ないが、「まぁ〜行ってみなよ^^」との仰せなので来週は白馬に行く事を改めて決意する。

ここで改めて針ノ木小屋の位置を確認し、出会い口から針ノ木峠に向かい、左の沢を登る。
この時点で針ノ木小屋はまだ見えない。
結構な上り坂だった。40°位はあるだろうか?

先程の山スキーヤーさんは隣のマヤクボカールを上り詰めている。
途中で「あーもーダメだぁ〜」と叫んでシール登行からアイゼンに履き替えていた。
傾斜は峠よりもマヤクボの方がありそうだ・・・。
自分はひたすらツボ足でコルに向って登りつめる。
そして、コルに到着。
小屋を探す・・・
どこだろ・・・
あっ!足元に屋根が!^^;
コルに大量の雪が積もっていたため小屋は視線の下にあったのだ。

船窪岳方面は雲海に包まれていた。幻想的な光景。


薬師岳方面?いや〜本当に見通しが良い・・・。
思わずため息が漏れる・・・
小屋はまだ営業していなかった。まぁ小屋の半分はまだ雪に埋もれているし・・・。
カロリーメイトとテルモスの麦茶で軽いおやつを頂きながら、地図(昭文社 山と高原地図35 鹿島槍・五竜岳)を見る。
あーここからでは黒部ダムは見えないなぁ(T_T)
(実はここから針ノ木岳方面に向えば良いのですが、初めてという事でご了承を)

20分ほど休憩した後、いよいよ峠の頂に立ち滑走準備に入る。

滑走開始地点から大雪渓を見下ろすが、急勾配で雪渓下部が隠れて見えない。
ただ、出会い付近に小さな人影が何名か見えた。こちらに向って登ってきているかもしれないが、その姿が見えない。
ターン時に発生するスラフ(点発生雪崩)を極力さけるため慎重に下る。
5〜6ターンで一旦停止。下部を確認。
出会い付近が見えた時、5、6名の山スキーヤーが出会い口に集結していた。何時の間に・・・。
彼らを避ける形で一気に出会い口に向って滑り込む!
出会いに入った時、マヤクボカール側から2名の山スキーヤーが同時に降りてきた。
私と彼ら2名が同時に出会い口をすり抜ける。何かの曲芸飛行の気分^^
雪渓表面は黄砂と小石、草木の欠片で汚れていたが、それらを出来るだけ回避しつつ大沢小屋付近まで滑り降りる・・・。
登りが急斜面とデブリ跡の乗り越えで自然コブ(うねりと言った方が言いのかな・・・)が楽しい。^^
その地形を読み取り、最適なコースを自ら考えて滑り降りる事がなにより面白かった。
やがて、大沢小屋前の雪渓末端にたどり着く・・・20分の滑走時間だったが感動的だった。何も言えねぇ〜。
板を外し、再びザックに括り付け、先に雪渓末端に下り降りた2名の山スキーヤーさん達に「お疲れ様でした〜」と挨拶を交わし、元来た道を意気揚々と下る。

扇沢駅に戻り、2階のレストランで昼食の天ぷら蕎麦定食を頂き、麓の薬師の湯につかる。
次はマヤクボカールだな。^^